ジブリが作品の場面写真をフリー素材に! 著作権へのスタンスを変化させた問題とは

ジブリが作品の場面写真をフリー素材に!
著作権へのスタンスを変化させた問題とは

スタジオジブリが自社作品の場面写真の無償提供を始めた。ダウンロード可能な作品の中には、日本映画の興行収入歴代1位に輝く「千と千尋の神隠し」もあり、各作品50枚ずつとボリュームも十分。「常識の範囲内でご自由にお使いください」と記しているだけで、複雑な条件も付与していない。

興味深いのは、同社プロデューサーである鈴木敏夫氏の発言だ。同社法務部の「商用利用もやめてほしい」との発言に「何をもって商用利用というか、その境界線が難しくなっている」と反応。SNSやYouTubeで使うことは否定しなかった。むしろ、著作権の保護期間が2018年の法改正で作者の没後50年から70年に延長されたことで、作品そのものが消えてしまうリスクを指摘している。

鈴木氏が指摘するリスクは、コンテンツビジネスの構造的な変化と無関係ではない。ジブリアニメは、興行収入で製作費を回収し、DVDなどの映像ソフト販売で収益を伸ばしていくビジネスモデルだった。しかし、映画館の入場者数はここ40年ほど横ばい。全体の興行収入は決して低調ではないが、伸びしろがあるとは言い難い。映像ソフト販売に至っては、レンタル市場もセル市場も縮小傾向で、今後はNetflixのような有料動画配信サービスが伸びていくことが確実だ。従来のスタイルを押し通しても「ジリ貧」になることは避けられない。

今回のスタジオジブリの判断は、自由に活用してもらうことで、作者への金銭的な還元の可能性を広げるべきだと主張しているように見える。過去には漫画家の佐藤秀峰さんが「ブラックジャックによろしく」の2次利用をフリー化し、収益の増加とビジネス拡大を実現させた例もある。

もちろん、その背景にはインターネットやSNSの普及があり、口コミの速度と情報量が大幅に上がったバイラルマーケティングの効能もあるだろう。しかし、もはやそれを含めて、一昔前の「すべての動きを把握し、コントロールする」コンテンツビジネスのマネジメント術が通用しない時代となってきているのではないか。

19年分民間平均給与は436万円
前年比▲1.0%と7年ぶりの減少

国税庁が公表した2019年分民間給与実態統計調査結果によると、2019年1年間を通して民間企業に勤めた給与所得者の平均給与は436万円で、前年に比べ▲1.0%減少した。平均給与は7年ぶりの減少。

2019年12月31日現在の給与所得者数は、前年に比べ1.3%増加の5990万人だった。給与所得者のうち、1年を通じて勤務した給与所得者数は、前年比4.6%増の5255万人(正規3486万人、非正規1215万人)となり、7年連続で過去最多を更新している。

その平均給与436万円の内訳は、平均給料・手当が同▲1.3%減の366万円と5年ぶりの減少、賞与は同0.9%増の70万円と3年連続で増加した。
男女別の平均給与は、男性が前年比▲1.0%減の540万円だったが、女性は同0.8%増の296万円で過去最高額となった。また、正規、非正規別にみると、1人当たりの平均給与は、正規が同▲0.0%の503万円、非正規は同▲2.5%減の175万円とともに減少し、2.9倍の差がある。平均給料・手当は、正規が同0.2%増の408万円、非正規は同▲2.3%減の166万円、賞与は、正規が同0.2%増の97万円、非正規は同▲5.6%減の8万円だった。

平均給与を業種別にみると、「電気・ガス・熱供給・水道業」が824万円と突出して高く、次いで「金融業、保険業」の627万円、対して最も低いのは「宿泊業、飲食サービス業」の260万円、次いで「農林水産・鉱業」の297万円だった。

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